家庭を思うと昇進が厳しい

女性が昇進を望まない理由

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女性の昇進希望の割合

女性の昇進希望の割合

女性の社会進出が多くなっていますが、女性は管理職などへ昇進希望をする人がほとんどいません。2013年の労働政策研究・研修機構の行った「男女正社員のキャリアと両立支援に関する調査」で、管理職ではない女性に昇進希望を尋ねた結果、68.9%の女性が「役付きでなくても良い」と答えています。昇進希望があっても「課長以上」を希望した人は10.8%で、「係長・主任まで」と答えた人が19.7%でした。同じ調査を男性にしたところ、60.4%が「課長以上」を希望し、「役員以上」と答えた人は16.0%もいました。課長を一つの目安とすると、男性と女性の昇進希望の割合は、6:1になります。

積極的になれない理由とは

女性が課長以上の昇進を望まない理由には、「仕事と家庭の両立が難しい」が最も多く40.0%でした。次に多い理由が、「責任が重くなる」で30.4%でした。その他の理由には、「能力がない」26.0%、「同性の管理職がまわりにいない」24.0%などありました。女性が昇進を望まない理由には、仕事と家庭の両立の困難さだけではなく、責任が重くなる、能力がない事を理由にする女性も多いため、「女性は責任から逃げている」と言う人もいます。しかし、女性が昇進を希望しないのは決して逃げている訳ではありません。

仕事と家庭の両立が困難な理由

日本企業の多くでは管理職の長時間労働が常態化しています。そのため、女性は仕事と家庭の両立が困難と考えています。日本企業では女性はコース別管理により、昇進の可能性がない状態に置かれ、職種の区分に男女差がなくても配属のされ方やキャリアアップの機会に差があり、管理職候補として育成されない状態が多くありました。こうした男女の育成方法の違いも、女性が管理職を望まない大きな要因になっています。

気配り出来る人は責任者に向かない

「能力がない」「責任が重くなる」「同性の管理職がまわりにいない」という理由で昇進を望まない女性の多くは、責任者になった時の自分がイメージできず、責任と引き換えに得られる高い評価がイメージできないからです。常に周りに気を配り、仕事に対して協力的な女性ほど、上司や周りからの支持を円滑に従う事で「感じのよさ」「丁寧さ」「従順さ」といった点を評価されます。しかし、このような女性が責任のある仕事を任された場合、今までとは逆の「意思決定する」「指示する」という資質を求められるようなります。これまでは周りを見ながらサポートする能力を発揮していた人が、反対の能力を発揮するのはとても難しいのです。

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